ぼやき (2004年12月17日)

 デジカメのコーナーを設けようと思って、改めて僕が所有しているデジカメについてウェブで調べていたのですが、そのついでに、今はもう手元にありませんが、僕にとって実質的に初めてのデジカメでありとても気に入っていたデジカメ、SANYO DSC-X100(1998年10月発売)についても検索してみました。そしたら、あるサイトのひとつのコーナーで、この機種のことが酷評どころかボロカスにこき下ろされているではありませんか。そのページのタイトルを見た瞬間僕の心の中にとても暗くて重たい何かが押し寄せてきましたが、でも、参考までにと思い我慢して最後まで読みました。
 それは今から5年以上も前に製作されたページですし、サイト運営者のSさん(仮名)にとってもその問題自体とっくに解消済みなので、今さら真っ向から抗議する気はありませんが、でも僕を含め多くの人に愛されていたこの機種をあんな風に言われて黙ってもいられないし、誰かがX100のことを検索して僕のようにたまたまあのページを見てしまって悪いイメージだけを持たれるのはとても嫌なので、及ばずながらここでぼやかせてもらいます。もっとも、Sさんのサイトとうちとでは一日のアクセス数は雲泥の差なので、焼け石に水もいいところですけどね。ちなみに、当時『V100/X100友の会』という、この機種の愛用者による愛用者のためのサイトが存在していたことも記しておきます。
 Sさんは僕なんかよりずっと機械や電気のことに詳しい方のようですが、あえて、長年サンヨーのデジカメを使ってきた者として言わせてもらいます。Sさんが最初に遭遇された「電池残量メーターがすぐに切れかけになり、数枚しか撮影できない」という不具合は、当時のサンヨー製デジカメに多かった、しかしちょっとした工夫で解消可能な物理的欠点に起因するものではないかと思いました。また、ニッケル水素電池特有の性質もそれに大きく絡んできます。
 当時のサンヨー製デジカメの電池ボックスには大きな二つの欠点がありました。ひとつは、電気接点金具のバネの圧力が弱いこと、そしてもう一つは電池ボックスのフタが閉まるときに不可欠のツメと本体側の受け口の作りが弱く、使っているうちにどちらか又は両方が欠けてしまい、フタを固定することができなくなるというものでした。後者が発生した場合、僕のように直す人もいるでしょうが、多くの人にとっては致命的な破損となるでしょう。しかし前者の不具合は、金具とフタの間にマイナスドライバーなどを押し込んで金具を少し浮かせてやることで簡単に解消されます。さらにその隙間に何か細長いもの(細い針金など)でも詰めておけばより安心です。
 Sさんが最初に遭遇された不具合は、おそらく、この接点金具の弱さと、そして接点の圧力の大小やちょっとした汚れによって、取り出せる電圧が大きく変化するというニッケル水素電池のシビアな性質によるものだったのではと思います。また、ニッケル水素電池は低温に弱く、満充電状態でも低温時にはまともに電圧が上がりません。これはポケットに入れるなどして温めると直ります。SさんがX100を購入されたのは2月上旬という寒い時期で、もしかしたらこのことも少なからず関係していたかもしれません。このようなニッケル水素電池の性質は今では常識となっていますが、当時はまだ浸透していなかったと思われます。
 また、当時のデジカメは今ほど省エネ技術が進んでおらず、駆動するのに必要な最低要求電圧の値も現行機よりずっと高かったはずです。だから、前述のような悪条件が重なって電圧が下がると、例え電池は満充電でもすぐに使用不可となることも十分あり得ます。実際僕も同じような経験をして、解決方法を自分で発見しました。一番焦ったのは、それまでなんともなかったのに、満充電の電池を入れて撮影しようとしたら全く電源が入らなくなった時でしたが、冷静に考えてみて、マイナスドライバーで接点金具を浮かせてやるとたちまち起動しました。
 確かにこれは重大な欠陥と言えるかもしれませんが、この点を除けばX100を初めこのシリーズのデジカメとしての性能は、他の追随を許さないものがありました。だからこそ当時から愛用者がたくさんいたわけですし、後継機であるSX150/550/560を今でも現役で使っている人は僕だけじゃないと思います。しかし一方で、X100の素晴らしさに気付く前にこの不具合に遭遇してしまい、しかも解決の糸口を見出せずに、X100及びサンヨーのデジカメに対して悪いイメージだけを抱いてしまった人が少なからずいたことも、今回知ることが出来ました。この点はものすごく残念です。
 ちなみに、この二つの電池フタの問題点は、残念なことにSX550(おそらく560も)の代になってもまだ残っていました。MZ2では接点の圧力問題は解消されているようですが、フタが閉まるときに本体と引っかかる部分の仕組みは相変わらず従来のままです。お願いしますよ・・・。でも、時流にとらわれず独自の目線で開発を続け、ある意味異端なデジカメをリリースし続けていた当時のサンヨーが、今も大好きです。現行機種はだいぶ丸くなってるんですかねぇ・・・。
 はぁ。こういうことを書いていると、なんだかソニーについても言いたくなってきましたが、それはまた今度にしようと思います。ちなみに僕はソニー信者ではありませんので(笑)。


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