キャンディは、公園に放置されていたところを相方の子供が拾ってきて、相方のうちでは飼いきれないというのでうちで引き取ることになりました。これまた生後一ヶ月ぐらいでした。ちょこがうちに来てから約一年後のことです。名前は相方がつけました。

　一般に、二人目の子供は最初の子に比べて育て方がおろそかになりがちといいますが、僕の場合これがキャンディに当てはまると言わざるを得ません。もちろんトイレのしつけや毎日のご飯などは欠かしたことはありません。しかし、当時バイトが忙しかったこともあり、それ以外はキャンディのことはほとんどちょこにまかせっきりにしていたのでした。ちょこはよく面倒をみてくれ、おかげでキャンディはすっかりちょこになつきました。ちょこのことを母親だと思っているようです。しかし、そのツケとして、僕にはあまりなついてくれませんでした・・・。例えば、ちょこなら自分から好んで僕の膝の上へ乗ってくるのですが、キャンディはそれどころか僕が抱き上げてもすぐに逃げてしまう始末です。やはり幼少期に愛情を注ぎそびれたツケは大きいです。
　また、保護当時しばしば相方の子供がキャンディを拘束状態にしていたので、それも少なからず影響して人間に対する警戒心が強まっているのかもしれません。

　それからというもの、キャンディの気を引こうとかいがいしく接し、話し掛けることに努めるようになりました。おかげで、最初は頭を撫でられるのも嫌がっていたのに、徐々に慣れてきて二年経った今では喜んで撫でさせるようになりました。しかし抱かれるのにはまだ抵抗があるらしく、膝に乗せてもしばらくじっとしているのがやっとです。そこで落ち着いて眠ってくれることはなく、結局ちょこの元へ行ってしまいます。この辺が実に微妙です。頭を撫でているときはこの上ないほどに喜んでいるのですが、いざ抱こうとすると抵抗を見せるのです。

　ちょこのように自ら甘えてくるということはありませんが、逆にそのクールさがいじらしくもあります。仕草もちょこに負けず劣らずかわいらしく、ちょこよりも小ぢんまりしているのでまた別の可愛さがあります。